ステートメント

体外放射線治療の多くは ”がん治療” に実施されていますが、三叉神経痛・脳動脈奇形などの ”非腫瘍性病変” にも適応されます。一般的には外科的処置を要さず、無麻酔かつ数分程度で照射が終了することから、患者負担の少ない低侵襲治療であると言えます。

本治療はワシントン大学の不整脈医であるProf Phillip Cuculichと、放射線腫瘍医であるProf Cliff Robinsonらによって2015年のNew England Journal of Medicineに発表されました。彼らのteamは世界で初めての前向き臨床試験を実施し、その成果は瞬く間に世界を駆け巡りました。当該論文はAmerican Heart Association学会における年間最優秀賞論文10篇に選出されています。彼らはその後、非侵襲心臓放射線センターを設立し、世界各地の不整脈医、放射線治療医、医学物理士を対象としたハンズオンセミナーを開催してきました(https://sites.wustl.edu/snorad/)。東海大学からは2019年に初めて参加して以来、継続して各国と知識の共有を図っています。

欧州においては本治療の推進にむけて“STOP STROM” と呼ばれるプロジェクトチームが2021年に設立されました。EUによる研究費支援のもと(2021.5~2027.4月:716万ユーロ、10億円相当)、8カ国30施設が加盟して厳格な治療計画監視組織を構築しています(https://www.stopstorm.eu/en/nieuws/registry-opening-animation-release)。残念ながらアジアおよび我が国の研究参画における大幅な立ち遅れは否めません。

本会では、様々な専門性を有する皆様との連携を軸として、横断的かつ多角的な見地からお互いの学術領域における理解を深め、本治療の安全な普及に繋げることを目的とします。関連学問領域の基本的な知識を共有するための教育的活動と、基礎研究・臨床研究いずれも推進します。実臨床に直結する治療計画、照射精度、医療チームの構築などについても多職種が専門的な議論を交わせるような開放的な議論の場を提供します。安全かつ有効な治療方法を模索し、日本全国どこでも均一な医療提供が可能となることを願っています。

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